奇分割と異分割の間の1対1対応
ブログを書く練習がてら軽く.
分割って?
正の整数 の,いくつかの正の整数の和としての表し方を「分割」といい,個々の正の整数を「因子」という.たとえば, の分割は
の 通り.因子を並べ替えただけの分割(たとえば と ) は同一視する*1.
分割の中でも特に,因子がすべて奇数のもの(e.g. )を「奇分割」,因子が相異なるもの(e.g. )を「異分割」と呼ぶ.実は任意の について, の奇分割と異分割は同数である.オイラーはこのことを母関数から示し,その式は「オイラーの分割恒等式」と名付けられているが,ここでは小学生でも理解できるよう,簡単な1対1対応を与えることにする.
1対1対応
分割 をおく.
異分割について,すべての ( は奇数) を 個の に置き換えて新たな(元と同じかもしれない)分割を作る操作 P (Partition)を考える(結果は明らかに奇分割である).たとえば, は ,即ち となるし, は元のままである.
また,奇分割について,因子のうち奇数の個数が のとき, と2進展開して,分割中の「 個の 」を「」に置き換えるという動作を任意の奇数に対して同時に行い,新たな分割を作る操作 U (Unite)を考える(結果はよく考えると異分割であるとわかる).たとえば, は, 個のをに, 個のをに, 個のをに, 個のをに置き換えて, になる.
このようにおくと, P と U は互いに逆の変換であり,1対1対応がついたことがわかる.
綺麗な1対1対応が存在するもっと簡単な例として,「因子がすべて 以下の分割」と「因子が 個以下の分割」がある.これは各自で考えてほしい.
*1:因子の順番も考慮するようなものは「合成」とか「結合」と呼ばれる別の概念となる.